企業が”会社の説明”を学生にする本当の理由
これまでのブログから、就活生向けに真の安定とは何か/就活における正しいキャリアの考え方について、よくある就活のセオリーとは違った角度でお伝えをしてきました。
ここまでの2本のブログでは、
・なぜ既存の仕組み・事業や企業の肩書に頼ることが市場価値に繋がらないのか
・キャリアの本質は自分自身に仕組みを創るだけの力をつけていくことだ
という部分をテーマにまとめています。まだ読んでいない方は是非遡ってから当ブログをお読みいただくと納得度が増すと思います。
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これまでのブログの内容から考えると、それではキャリアの本質からずれていますよね。ではなぜ企業説明会では”企業の表面的説明”がメインになってしまうのか?
結論、今日の内容が理解できれば少なくとも会社の見え方がずれなくなり、結果就活や仕事も良い方向に行く可能性は高まります。
本日のブログは、事業内容や福利厚生など会社の外側の部分を知って会社を理解したつもりになってしまう皆様に向けたものになります。会社を”本質的に”理解していないと、理想のキャリア形成が叶わないだけではなく、仕事の水準が下がってしまいます。もっと言うならば、なんとなく成長した気になって仕事の水準が下がっていることに気が付かず、井の中の蛙状態になってしまいます。(井の中で活躍できればいいやという人はスルーしてください)
漠然とでも仕事をするからには自らのレベルアップにつなげていきたいと考えている方。就活初期の私がそうだったように、短絡的な目線で物事を判断しないためにも、是非参考になさってください。
Contents
なぜ就活生に伝えられるのは”企業の説明”なのか?
私も就活生時代、何社も企業説明会に参加しました。
大体のアジェンダとしては会社概要/事業内容/福利厚生・制度面/キャリアパス/求める人材像…..こういったものが多かったかと思います。
これらの情報を比較しながら ”より良い会社”を探していたことをよく覚えています。ベンチャー企業でキャリアを積んでいる今、思うこととしては大事なのは会社に備わっている要素それ自体ではなく、会社にその特徴があることで自分のキャリアはどう変わるか。
要は会社選びにおいて求める項目が何か、そしてそれを求めることにどういった意味があるのか、そちらの方が重要だと思います。ただそこまで説明していた企業さんは少なかったように感じています。
仕方のないことだと思います。
理由は大きく2点。
①そもそも仕組みに倣って成果を上げてくれる社員を求めているから
②表面的な目先の利益のほうが学生の目には魅力的に映りやすいから
順に説明をしていきます。
①そもそも仕組みに倣って成果を上げてくれる社員を求めているから
一部の新興企業を除き、人事権を握っているのは年功序列の環境でのし上がってきた方たちです。
もっと直接的に言うと、若い間年功序列における下積みに耐えてきた方々、ようやく人を動かす/仕組みを創る側になることが出来た方々になります。そう考えると、キャリアパスとして、若いうちから仕組みを創る側に回ることを想定していない企業のほうが現状多いのではないでしょうか。上が年功序列で、若いうちを耐えしのぎ今のポジションを勝ち取ったのであれば、わざわざ下の世代に対し実力主義の環境を用意するでしょうか?少し考えにくいですよね。
年功序列を耐えてきた方々が権限を握っているという現状、これも日本企業がなかなか実力主義・ジョブ型雇用には移行できなかった要因の一つです。それこそ説明会を担当している人事自身、既存の会社の制度や序列の中でキャリアアップをしていくことを想定して入社をされた方も多いと思います。
会社は自社で活躍してくれる人材を求めて採用活動を行っています。そしてその活躍人材の定義は、市場価値が高いことよりかは既存の自社の制度にフィットすること、長年自社で勤めあげてくれそうな人物であることも少なくありません。少し乱暴な言い方をすると、既存のマニュアルに従って若いうち会社に尽くし、甘い蜜を吸えるまでの期間をしっかり耐え抜いてくれる人材です。であればそういった”活躍人材”に響くのは、一定年数務めた後に確実に役職をもらえるというキャリアパスや長く務めることが出来るという保障ではないでしょうか。
そう考えると、会社で培われるスキルや成長を訴えるよりも、ライフステージが変わっても働き続けられるような働きやすさや、長きにわたって会社が存続していくであろうことを示す業界/事業の成長性をアピールするのは至極当然ですよね。
②表面的な目先の利益のほうが学生の目には魅力的に映りやすいから。
企業の肩書としての力が優れている/箱としてのハード面が整っている(評価制度や福利厚生が整っている)/業界や事業の成長性が高いところほど、目先の利益が相対的に大きくなりますので、そういった企業は会社の表面的な部分で自社の魅力付けをしてくるかと思います。
学生の皆様からしても、まだ経験のしたことのないキャリアの話/ビジネスの話をされるよりも、目の前の短絡的報酬(初任給の高さや福利厚生)を教えてもらった方が分かりやすく魅力に映るのではないでしょうか。
就活において決断をするとき、あまり50代の自分を想像する人はいないと思います。話を聞いていると、新卒で入社した後の自分の働く姿が想像できるかが、内定承諾という一大決心に大きく作用するように感じます。そうなると、目先の利益が大きいところに釣られてしまうというのはとてもうなずける話です。またキャリアの話、ましてやそれを自分次第で切り開くという話は、結局自分の実力次第というところに帰結します。圧倒的な経験をしていて自信に満ちている学生は別として、まだ仕事をしたことがない多くの学生の皆様は、頭のどこかで結果が出なかったらその輝かしいキャリアは築けない。であれば安心・安全の整った会社にいく方が確実だと考えるのではないでしょうか。
そうして優秀で若いうちから組織を創る側にまわるポテンシャルがあるはずの学生が、自分から仕組みに倣う側に落ち着いてしまう、そんな状況も想像に難くありません。
就活はビジネスの入り口であり、ビジネスには必ず理屈が存在する
皆様に理解していただきたいのは、就活はビジネスの世界の入り口であるということです。一方的な利益の享受や永続的な甘い蜜は存在せず、物事にはすべて表と裏、GIVE&TAKEの関係が成立しています。
確かに初任給の高さ、休みの多さをはじめとする福利厚生は魅力的ですよね。ただビジネス的観点でいえば、初任給の高さは優秀人材を獲得するための魅力付け要素の一つであり、実力に伴った報酬額にしているかといえばそうではありません。いわば初任給もとい社会人1年目の給与は成果に対する報酬ではなく先行投資ですから、実際企業様によっては初任給が高いがモデル給料は普通(昇級速度が遅い)という状況が想定されたり、実力に合わせて減額も視野に入れた給与査定が入るということもあります。
休みの多さというのも所謂仕組みに倣う側(もっと言えば雇われる側)であるときに適用されるのであって、マネジメント層になった時にも同じだけの休みがあるとは限りません。むしろメンバーシップ型の雇用でありながら裁量労働制のような仕組みになり、組織の成果を上げるための業務負担は多くなるかと推定されます。
そうなった時、新卒の就活で目先の報酬にこだわる理由は何があるのでしょうか。このブログを読んでくださった皆さんには、是非一度立ち返ってその意味を自分事で考えてほしいなと思います。今後皆さん(の多く)のキャリアは40年以上続きます。
そう考えたと時に、皆さんにとって一番大事なことは何ですか?本当に考えるべきことは何でしょうか?それは目の前の短絡的報酬ですか?現時点でのやりたいことですか?
ビジネスの世界における基盤が形成される20代、本当に優先すべきこと、長いキャリアの目に立ってしっかりと考えてみてください。
CONSCIENCEで培う市場価値とは?
今回は企業が学生に対し会社の説明、福利厚生や事業内容など企業の表面を説明する理由についてお話ししました。実は弊社の説明会及びインターンシップでは、事業説明や会社の制度についての話をあまりしていません。むしろキャリアの考え方や、ここまでの連載でお伝えしてきた内容を就活生の皆さんにお伝えしております。
なぜあえて一般的な学生のニーズに反して社会の現実や会社の考え方の部分を皆様に突き付けるのか。
なぜ会社自体の話は、それこそ映画の予告編程度にしかしないのか。
それはCONSCIENCEには強いイズムがあり、今の世の中においてビジネスの順番をはき違えていない企業だからです。
そしてその考え方が、CONSCIENCEを選ぶにしろ選ばないにしろ、ビジネスの世界に足を踏み入れる就活生の皆さんにとって必要になるからです。
次回はそんなCONSCIENCEが考える市場価値や、市場価値を見据えたときにCONSCIENCEを選ぶ理由について、私目線でお伝えできればと思います。